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2018.04.25

初めまして
ー自己紹介を兼ねてWSET Diplomaとはー

ヨーロッパに拠点を置くようになって早16年。
こちらではワインは日本におけるビールのように人々の日々の生活に常にあるものなのですが
日本では一部ではそうであるかもしれませんが、大多数の方にとっては
まだまだ特別な飲み物である印象を受けています。
日本でももっと気軽に楽しく飲んでもらえるようになってほしい。
ワインに興味を持ち始めた頃は、あくまで自分の知的好奇心を満たすために資格試験を受けたのですが
せっかくの知識を生かし、日本でもっとワインを楽しんでもらえるようなお手伝いが出来ればと思い
この度日本でも本格的に活動しようと、今回Websiteを開設いたしました。
今後はあまりワインのことをよく知らないしわからないけれど、楽しく美味しく飲みたい!という方にも
その世界を広げていただけるような情報も発信していければと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

そしてまず初回ということで、近年日本でも取得者が増えつつある資格、
WSET L4 Diplomaについて私見を含め書いてみようかと。

WSETというのはロンドンに本部を置く教育機関で
アルコール飲料に関わるプロ、その道に新たに進みたい人そして愛好家へ様々な講座や
資格試験を行っています。
Level4とある通り、WSETにおける最上位資格であるこのDiplomaのほかにも
Level1からLevel3ももちろん存在し、今日現在、ワインのLevel3までは日本語でも受験可能です。

Level4に進むにあたっての必須条件はLevel3資格を持っていること。

何を隠そう2005年まで私は下戸でした。(もう今やだれも信じない)
たまたま旅行先で、ま、試しに。と勧められたワインが美味しかったんです。
素直にその味わいに感動して、勧めてくれた人に美味しいねと伝えたのです。
たぶんこの一言を発した人は何にも考えずに言ったのでしょう。
その後の私の人生を大きく変えることになるとは!(笑)

”お酒飲めなくてもその味が理解できるなら、条件満たしているんだしソムリエ試験受けたら?”

まさかその10年後にDiplomaまで取ることになるとは!

というわけでその気になった私は2006年年始から勉強を始め
2006年のソムリエ試験、2011年のシニアソムリエ試験を経ての2012年。
もう少し深く知りたい。と元々好奇心旺盛な私のさらなる知識への貪欲な追求は
Diplomaへと向き、その前段階のLevel3を始めるに至ったわけでした。

L3はシニアソムリエ試験の後ということもありロンドン本校の最短コースで終わらせ
無事L4に進む資格を得ました。そして考えたこと。
”最短コースでL4を終了するには?”
選択肢は2つ。
ロンドン本部のContinuous Single Block Release Course
オーストリアにある学校の1年間コース
かかる費用は宿泊費がロンドンの方が高いことを除くとほぼ同じ。
さてどうする。という段で、ロンドンのコースに行くには休みが取れない事が発覚。
社内のDiploma保持者に相談し、オーストリアの学校に行くことにし
2013年5月から私の自分との戦い(=フルタイムの仕事と定期的にある学校と下記試験の準備)は始まりました。

WSET Diplomaを取得するにはUnit1からUnit6まで、合計8つの合格をもらう必要があります。
(Unit1とUnit3は2つに分かれていて、各Unit、2つ合格が必要。
尚4月25日付で発表された情報によると2019年8月からDiplomaからスピリッツは除外され
試験の内容も変わるようです。)
最短で1年、平均2年から2年半ほどで取得(欧米では)されることが多いようですが
英語やドイツ語(まもなく廃止されますがドイツ語でも試験が実施されています)が母国語の人でも
脱落している人はたくさんおり、私のクラスメイトも半数ほど脱落しました。

さて、私の通ったこの学校、英語コースとドイツ語コースが存在し、英語コースのスタートは年1回。
全部で6回、都度3-5日集中的に講義が行われ(それも名だたる講師の皆々様)
あとは自分で準備して試験に臨むのですが・・・。

多くの学校は一番最初に受けなくてはならないUnit2(栽培・醸造方法などに関する4択)の後は
Unit4-6(スピリッツ・スパークリングワイン・酒精強化ワイン)や
Unit1(マーケティングに関する小論文の提出とケーススタディ)を先に対策し
その後Unit3(世界のワイン。これだけはテイスティング2時間と論述試験3時間が別々に採点される)に
臨むというカリキュラムなのですが!なんと!
2013年の5月に最初のUnit1/2の講義
2013年8-10月にUnit3の講義(8月の講義の前日にUnit2の試験)
2014年1月 Unit3受験
2014年3,5月 Unit4-6の講義
2014年6月 Unit4-6受験
Unit1は自分の都合で好きな時に。(私は2014年11月に受けました)
当時(今は変更されました。)はUnit4-6、初回は3つとも受けないといけない!
受けなくても支払い済みの試験代金は戻ってこない。という状況だったのです。

いや無理やろ。絶対無理やって。これ。このスケジュール鬼やわ。

と思っていた私ですが、今ではUnit3の対策を先にやったことは
最終的に私が1つも落とすことなく、最初に支払った受験料込みの受講料で
Diplomaをとれた大きな要因だったと思っています。
また素晴らしい講師の方々に加え、クラスメイトもすごかった。
だからこそ実質17か月間で終了できたのだと。
(その後、私の通っていた学校にはUnit7(!)が存在し
さらにもう1本論文と口頭試問を受けたのでもう半年、最終的にはかかったのですが。)

大橋健一さんがマスターオブワイン(MW)になられてから
日本ではDiploma取得、そしてMWを目指す方が増えたと聞いています。

そしてこの投稿をご覧の方の中にもDiplomaで検索してここにたどり着いた方が
いらっしゃるでしょう。(私も検索しましたから。いろいろ。当時は情報がほとんどありませんでしたが。)
そんな方に言いたいこと。

この資格を取得するにあたり
講義や参考資料を理解しその自分の知識を英語で伝える能力もさることながら
それ以上に”察する力”と”体力”、そして”忍耐力”が必要だとひしひし感じます。
(あと時間と心の余裕もですかね・・・。お金は時間がかかればかかるほど必要ですね。)
これは自慢でもなんでもなく・・・私はTOEIC980点(17年前?で900台前半)
社会に出てここ23年程仕事でも英語で意思疎通する必要があるため
英語での講義や資料の読解にはほとんど苦労しません。
(Unit1の小論文に関しては学術英語に長けていない上
論文を書いたことがこれまで1度もなかったので苦労はしましたが。
あとスペルミスはしょっちゅうなので常に手元に辞書は必要ですが。)
そして人の名前と年号など数字系は覚えられませんが
その他の記憶力に関してはほかの人よりもよいと思われます。
そんな私でも自分比では人生で一番勉強しました。
簡単な道のりではありません。

ですので、これからどうしようかな?と思っている方。
Level3を英語で受験して論述部分がDistinctionとれないようなら
Diplomaはやめておいた方がいいです。
海外に出てワインのプロとして活躍したいのでなければ
資格としてはL3で十分です。

すでにこの道に足を踏み入れている方。
せっかく始めたこと、最後まで走りぬいてください。
そして日本におけるDiplomaの知名度を上げるためにも
ぜひ資格を取得してください。
日本でやるならオンラインコースは取った方がいいです。
初期投資はかかるかもしれません。が、結局最終的なコストは
オンラインで学ぶ方が少なく済むと思います。
もしも、Unit4-6のセオリーでPassがもらえていないようなら
またUnit3、何回受けてもPassもらえないようなら
セオリー対策の勉強方法は一度見直した方がいいかもしれません。
察する力が足りない可能性が高いです。
出題の意図を理解し、それにのっとった回答を書かないと
たくさん書いても1点ももらえないということがありますので。
思い込みって結構怖いんですよ。命取りになります。
(あとどれだけ急いで焦っていても、採点者に思いやりを。
これを採点する人がいる。と思って読みやすい字を書きましょう。<これ非常に大切!)
ここ最近の問題は私が準備し受けた時と比べると
非常に単純明快になっています。
ただ、その分、この出題意図を理解できていないと
たくさん書いても点数にならない。という状況になりうる。
だからこそ、理解して適切な答えをかければPassどころか
MeritやDistinctionも夢ではありません。

私の大好きなオーストリアのSektにフランスのChampagneをはじめ
ワインや日本酒、最近好きなウイスキーやジン。
多くの日本人が好んで飲むビールや焼酎。
アルコール飲料はあくまで”嗜好品”。
ただ酔えればよい。という人もいるかもしれません。
いや、多いのかも。
でも、ただ飲むのではなく、もうすこしその飲み物のことを知ることで
その”飲む”という行為が人を今よりも少し幸せにしてくれると思っています。

Wine is your own enjoyment.

この言葉はお世話になっている醸造家がおっしゃった一言ですが
まさしくこれにつきる。と思っています。
ヨーロッパではワインは”文化”のひとつです。
まだまだ日本ではこの”楽しみ”はプロと一部のワイン愛好家の方のものとなっていて
一般には普及していません。
ワインがもっと日本の食卓での人々の日々の楽しみとなるよう
しかし、押し付けるのではなくその人それぞれの”楽しみ”となるべく
この魅力を一緒に伝えていける同志が増えればいいなーと思う
今日この頃です。